2019/03/08 02 科学未来館「工事中! ー立ち入り禁止!?重機の現場ー」

海洋情報資料館の後は友人と待ち合わせて科学未来館へ。
お目当てはこちら↓



四脚クローラ方式双椀型コンセプトマシン

腕2本、足4つの重機
 日本の腕を自在に使って、物をつかんだり、物を切ったり、複雑で繊細な動作ができる。この2本の腕により、銃器の新しい形態と可能性を切り拓いたと言っても過言ではない。足もとはおにぎりのような三角形のクローラが4つ着いている。それぞれ別々に動かすことができるため、不整地にも強い。

どんな所で活躍するの?
 2本の腕をもつ本気の仲間は、建設や土木の現場、解体作業、産業廃棄物の処理、金属リサイクルなど、さまざまな分野で活躍する。特に注目されたのは東日本大震災のとき。道がふさがれたり片側交互通行だったりと移動のままならない被災地でも、1台で高い作業効率を果したため、話題になった。




ブルドーザ

ブルドーザの登場
 牛(bull=ブル)を眠らすもの(dozr=ドーザー)という名前の通り、かつて牛馬を用いて行われていた開墾・整地作業は、現在はブルドーザが一手に引き受けている。ブルドーザは、クローラと呼ばれる足回りによって荒地を難なく走行し、前方についたブレードで土砂や岩を押し出し、地面を整える。未開の大地を切り拓く、まさにフロンティアで活躍する重機だ。

「ならす(整える)」作業は水中も
 河川や港では、少しずつ土砂がたまり、水深が浅くなっていく。そこで、船が安全に行き来できるように、定期的に底の土砂をさらう「浚渫」と呼ばれる作業が必要だ。船による運搬や交通に頼っていた時代に、効率的に浚渫作業船を生み出したことが、その後の重機開発の出発点とも考えられている。

「大地」を「土地」に
 人々はこれまで、未開の「大地」を平らに整えて、住居や田畑などに利用できる「土地」に変えてきた、重機の登場によって大がかりな整地作業が可能になり、山を拓いて大規模なダムをつくることも出来るようになった。重機の活躍がわたしたちの暮らしの基盤を支えている。



ホイールローダ

ホイールローダータイヤの機動力で大活躍ー
 土砂をすくって、ダンプトラックなどへ積み込むのがホイールローダだ、展示の「CAT🄬910M」は中でも小さいサイズ、小型ホイールローダは除雪や畜産業でも活躍し、大型のものは鉱山など広大な工事現場で働く、タイヤはクローラに比べてでこぼこした土地には向いていないが、積み込み作業などの素早い動きが得意だ。

「運ぶ」の立役者、ダンプトラック
 荷台にたくさんの土砂を積み、大きなタイヤでたくましく運ぶダンプトラック、荷台の下についた油圧装置で、荷台の片方を高く持ち上げ、土砂をドサッと滑り落とす。11トン積みまでのダンプトラックは公道を走れるが、それよりも大きなものは大規模工事現場や鉱山などで活躍する。本店入口の大きなダンプトラック(CAT🄬797F)は積載量300トン以上にもなり、世界最大級だ。


CAT 797F

運ぶ
土砂はどこへ・・・
 工事現場には、建設材料や作業機械などさまざまなものが運ばれてくる一方、運び出されるのもがある。それは、土砂だ。地球上で発生した土砂は、地球上で処理しなければならない。土木は地球規模の地産地消を考えているのだ。当居の港湾地域の一部の埋め立てにも、こうした土砂が使われている。ホイールローダやダンプトラックといった運ぶための重機の存在は、地形を大規模に変えるような現代の工事に欠かせない。



初代国産油圧ショベル

東京オリンピックの3年前に登場
 時はまさに高度経済成長期真っ只中、1964年の東京オリンピック開催の3年後に控えて1961年。フランス(シカム社)との技術提携により、日本で初めての国産油圧ショベル「Y-35」が登場した。高速道路や新幹線をはじめとするいろいろなインフラ工事のほか、ビルやダム、ホール、体育館といった多くの建設現場で活躍した。

「未来技術遺産」に選ばれる
 Y-35は、戦後日本の国土開発に貢献した建設機械として「未来技術遺産」に登録されている。未来技術遺産は、科学技術の発達史上重要な効果があり、次世代に継承していくべき資料などを登録する「重要科学技術資料」のことで、毎年、国立科学博物館が登録している。車体の塗装こそ色が変わっているが、部品などは昔の形を引き継ぎながらメンテナンスが続けられ、今でも動かすことができる。



油圧ショベル

工事現場の万能選手
 油圧ショベルというと掘る作業はもちろんのこと、アームの先のバケットをさまざまなアタッチメントに交換することで、つかんだり、切ったり、岩石を砕いたりと、いろいろな作業に対応できる。油圧ショベル1台が現場にあれば、いく通りもの作業ができるのでまさに工事現場の万能選手だ。

大きさで活躍の場は異なる
 展示している本機は運転質量が13トン、もう少し大きな20トンくらいまでの「中型油圧ショベル」が工事現場では最も活躍しているといわれる。これより小さい「小型」は住宅の建築や解体などの作業で、さらに小さい「ミニ」は公園や庭づくりなどの作業に利用される。一方、「大型」の油圧ショベルは海外の鉱山などで使われている。




クレーン

空へ、空へ
 空たかくのびる高層ビル。いつも利用する高速道路や大きな橋、わたしたちの大きさをはるかに超える機材を引き上げ、数百トンにもなる部材を安全に引き上げ、性格に移動させるクレーンに隠された技術と工夫をひも解いてみよう。



クレーン、いろいろ

毎日の生活を支える
 クレーンは、動力を使って荷をつり上げ、水平に運ぶための装置のこと。高い荷物を移動させることができるため、大規模な工事には欠かせない。高層建築、高速道路や橋などのインフラ工事、コンテナ船の荷物の積み下ろしなど、都市で暮らす毎日の中で、さまざまな場所で活躍するクレーンの姿を見ない日はない。

繊細な技術を集結
 長く伸びたブームの先にあるフックに荷物を吊り下げ、ウインチを使って巻き上げるというクレーンの構造は、一見シンプルに見えるが、実は奥が深い。誰もが理科の実験で習う「滑車」や「てこ」の原理を駆使しているし、ウインチには歯車の妙がかくされて。いる引き上げ作業を支えるワイヤロープにも金属加工と「より」の技術がつぎ込まれている。



ウィンチ

クレーンのパワーを生み出す「ウインチ」
 ウインチはワイヤロープを巻き上げる装置だ。強い力で巻き上げるために、歯車を組み合わせた減速装置がついている。歯車を使って回転を遅くすると、巻き上げる力は大きくなる。このウィンチには「遊星歯車」と呼ばれる歯車が使われている。惑星が太陽のまわりを公転しながら自転しているように、歯車が動作する。装置をコンパクトにでき、かつ大きな力を出せるしくみだ。

強くて柔軟なワイヤロープ
 ワイヤロープは、鋼で作られた針金のような素線をより合わせた束(ストランド)を、さらに心のまわりによって強度を強くしたもの。素線の細さや、よる本数、またより方などによって、郷土や柔軟性が変わってくる。展示しているワイヤロープは、350トンを持ち上げるフックに使われるもので、1本で70トンを支える強度ををもつ。



滑車とは

引っ張る力は同じ?
 クレーンのフックには、たくさんお滑車がついている。クレーンが重たいものを持ち上げる時、この滑車がとても重要な役割をしている。ここに3種類の方法で滑車にロープをかけた。それぞれ、定滑車(固定された滑車)が上に、動滑車(動く滑車)が下にある。動滑車には、どれも10㎏のおもりを付けた。引っ張り上げるのに必要な力は同じだろうか。


引っ張る長さはどうだろう
 力だけでなく、永さも重要だ。例えば、おもりを10㎝持ち上げるのに、引っ張らなくてはいけないロープの長さはどれくらいだろう。同じ高さまで持ち上げるにも、引っ張る長さは同じとは限らない。左から順番にロープを引っ張って、おもりを持ち上げてみよう。そして、引っ張る力と長さを比べてみよう!



大型クレーンの運転室

見上げながら操縦
 展示しているのは大型クレーンの「運転室」。このクレーンは最大350トンを吊り上げることが可能で、新国立競技場の建設現場でも活躍している。運転室は、クレーンの根元近くに位置し、運転手は積荷を見上げながら操作する。

さあ、のってみよう
 運転室の中には、エアコンが付いているほか、ラジオやカップホルダーも設置され、快適に長時間の作業ができるよう配慮されている。さあ、運転室の中に入って、乗り心地を体感してみよう。



建設資材


鉄筋コンクリート

地球に負荷が少なく、使いやすい建設材料
 鉄筋コンクリートは、建設材料の中でも最も一般的な材料だ。地球上に豊富にある材料から造ることだできるコンクリートは、安価に入手できるが、圧縮される力に強く、引っ張られる力には弱い。その弱点を補うのが、引っ張られる力に強い「鉄鋼」だ。鉄鋼を「鉄筋」という形に加工し、コンクリートと組み合わせることで、圧縮にも引っ張りにも強い建設材料となる。

開発の歴史
 1850年にフランス人のランボーが鉄筋コンクリートのボートをつくったことが始まりとされる。その後、1867年にフランス人のモニエが鉄筋コンクリートの特許を取ってから普及が始まった。モニエはパリの庭師で、割れやすい植木鉢を改良するため、鉄筋とコンクリートを組み合わせるヒントを得たといわれている。


コンクリートの「トリセツ」

コンクリートが固まる仕組み
 コンクリートを固めるためには水が必要だ。しかし、水が乾いて固まるのではない。粉末状のセメントに含まれる材料と水が反応し、「
水和物」と呼ばれる新しい結晶が生成される。これがセメントや砂、岩石の隙間を埋め、時間の経過とともに固まり、接着して強いコンクリートが出来上がる。

スランプ
 工場で練り交ぜられたコンクリートは、運搬中も常に品質が変化する。そのため、工事現場でも品質確認のための試験が欠かせない。円すい形の容器にコンクリートを入れた後、容器を引き抜いて、山の頂点がどれだけ下がったか(スランプ値)を計測し、工事に適したやわらかさになっているかどうかを確認する。





鉄筋

鉄筋の正式名称
 鉄筋コンクリートに使用される鉄筋は、日本工業規格(JIS)で性質が規定されていて、正式には「鉄筋コンクリート用棒鋼」と呼ぶ。表面に突起があるものを異形棒鋼、突起がないものを丸鋼と称している。

表面の突起
 鉄筋コンクリートの実力を発揮するには、鉄筋はコンクリートと一体となって変形することが求められる。そのため、異業棒鋼には突起が設けられていて、一般に「ふし」と呼ぶ。今は円形棒に「ふし」がついたスタイルが主体だが、下図のように様々な形状が考案された。



解体にひそむ美学

”おもいやり”解体
 すでにたくさんの建物が建ち並ぶ場所では、いかに周辺に騒音や粉じんなどの影響を与えずに解体するかが重要だ。特に、高層ビルなどの大きな建物の場合は、周囲への影響も大きくなり、解体には細心の注意を要する。ここでは、さまざまな困難を伴う解体工事を切り抜けるために開発された驚きの解体工法を紹介しよう。



周辺への影響を最小に

重機で”おもいやり”解体
 海外のビルを爆破して壊している映像を、テレビなどで見たことのある方もいるのではないだろうか。日本では、あのように建物を爆破することは禁止されているため、重機で砕いたり切ったりしながら解体を進めることになる。防音パネルや振動計などを設置し、常に周りの環境へ配慮しながら作業を進めている。

年を更新し続けるためには
 一般的なビルの解体は、建物側面を覆い、授記で上部から解体する。しかし、これは足場材やシートなどが大量に必要になるし、作業コストもかかる。建物の高層化が進む中、いま高度経済成長期に建設されたビルが解体の時期を迎え始めたことを考えると、そう遠くない未来、さらに高いビルを解体する時期がやって来るはずだ。都市を更新し続けるためには、「建設」と「解体」は常に対となり新しい技術開発が求められる。




熱きアタッチメント

解体への思い
 解体工事では、油圧ショベルの先端を解体用アタッチメントに付け替え、作業する。鉄鋼や鉄筋コンクリートなど、解体する対象により、アタッチメントのパワーやブレード(歯)の構造などに様々な工夫が凝らされている。ここでは実際のアタッチメントをじっくり見ることで、そこに込められた開発者たちの熱い思いを感じてほしい。



ミニ・クローラクレーン

コンパクトに畳める
 コンパクトにたたんだ状態で移動できるのが特徴のクレーン。なんと、たたんだ時の幅は「69㎝」。通常、大きな重機が入れないような、細い道も狭い場所も簡単に移動ができる。こんなにコンパクトなのに、作業時にはブームと呼ばれる足の部分が最大8.65mまで伸びるというから驚きだ。

クレーンの活躍の場を広げる
 コンパクトにたためる特徴を生かして、屋内へ自走して入り、重たい展示物や工場の機材を吊り上げるなど、さまざまな場所で活躍する。エレベーターに乗せることができるので、高いところでの作業も可能だ。また、バッテリー駆動で排気ガスや騒音を出さずに作業できるため、より一層活躍の場を広げている。






どうりでキャタピラーさんの重機が多い(w





ビーフシチュー食べて帰った。