2023/07/02 豊島区立千早フラワー公園


『千早フラワー公園(ちはやフラワーこうえん)は東京都豊島区にある豊島区立の公園。都営地下鉄大江戸線の試作車両が保存されているのが特徴。1990年(平成2年)10月開園、面積5542.49m2(1,676坪)。付近に千川上水から発する谷端川の暗渠跡があるため、東京都下水道局の幹線下水道が敷設されている。 』
東京都交通局12-000形電車(試作車) 12-001・12-002
公園内の北側に静態保存されている鉄道車両。1986年(昭和61年)4月に都営地下鉄12号線(現大江戸線)用の試作車として製造。試験終了後[1]に豊島区に払い下げられ、1991年2月に公園内に設置された。
4月から10月までは午前9時~午後5時、11月から3月までは午前9時~午後4時に車内を開放している。』
千早フラワー公園 - Wikipedia





都営地下鉄12号線試作車


都営地下鉄12号線試作車解説版

豊島区では、平成3年1月23日、 東京都交通局より譲り受けた地下鉄12号線試作車 (リニアモータ車両)を設置し、区民の皆様に公開しております。 大切に取り扱って下さい。

リニアモーター車両について
 この電車は、 鉄車輪式リニアモーター車両です。
 リニアモーター車両は、 扁平なモーターを使った車両で、磁気浮上式と鉄車輪式があります。 浮上式のものは、 高速向きで磁気の力で浮上し走行します。 鉄車輪式のものは、都市内向きで、 浮上はしませんが、 磁気の力で走行します。
 鉄車輪式のリニアモーター車両が、 鉄車輪でレールの上を走行することは、一般の鉄道で使われている回転型モーター方式の車両と同じことです。 ところが、回転型モーター方式鉄車輪とレールの間の摩擦により推進力を得るのに対してリニアモーター方式では車両に付けられたリニアモータ
(1次側) とレールの間に敷いたリアクションプレート
(2次側)との間の磁気を利用し推進力を得ます。このため、 次の特長があります。
(1) モーターが扁平なので、車両の床を低くすることができ、 車両を小型にするのに都合がよい。
(2) 急勾配を走行できる。
(3) 急曲線をスムーズに走行できる。
(4) モーターの回転音やギアによる騒音がなく、 カーブを曲がるときのキシミ音も少ない。

■試作車12号線について
この車両は、 1号車 (12-001)と2号車 (12-002) ガー組になって、 始めて走行ができるようになっています。 1号車は、補助機器を2号車は主回路制御装置を搭載しています。

(車体)
 車両は、全て軽量ステンレスを使用し、ロール加工とプレス加工した部材を点溶接で組み立ててあるため、車両の軽量化が図られています。 また、 トンネルの建設費を安くするため、 車両の小型化を
図り、 従来車より床面を約30cm低くするなど居住性にも配慮しています。
 デザインは、3本のモールとラインカラーでアクセントをつけ、空気の抵抗を抑えるため流線形にしてあります。 また、仕上げは、 ステンレス本来の輝きがやわらげられるよう梨子地仕上げ (ざらざら
した仕上げ)とし、 落ち着いた感じにしています。

(装置)
 補助電源装置は、 大容量静止形インバータを採用し、 冷房装置 装置、照明、 制御の他に、 交流式空気圧縮機にも電源を供給しています。
 走り装置は、ボルスタレス 薄型空気ばねに積層ゴムを付加した複合空気ばね) 台車を使用して、保守性の向上、軽量化、省エネ化への新技術の試行を行なっています。
 制御装置は、最新の電力用半導体技術を駆使した、 三相交流電動機による駆動、回生ブレーキ付のVVVF (可変電圧・可変周波数) インバータ制御方式を使用しています。
 保安設備は、ATC(自動列車制御装置のほか、ATO(自動列車運転装置) 車集中制御主要機器の制御とモニターを統一的に行なう) 装置を設けて乗務員作業の軽減を図ってあります。

(室内)
 室内は明るいクリーム系で統一し、 冷房 蛍光灯 吊り手を設け、 乗り心地を良くする様配慮してあります。 窓は、不燃性のFRPの枠を使用し、 試的に自動下降窓、手動下降窓、内開窓の3種類が設置してあります。

(乗務員室)
 運転室の前面窓は大脳化し広い前方視野を確保しています。
 運転席は、操作しやすいようにテーブルタイプにし、 操作機器はテーブル上にあり、計器類は運転中見やすいように前面に配置してあります。 マスコン (主操作器) は右手操作ワンハンドル方式(手
前に引いて力行、 前方に押してプレーキ)、スイッチ類はソフトタッチの扱い易いものとしています。マスコンの右側には、運転台から取扱える押ボタン式の車堂スイッチを設け、テーブル面中央には、
緊急時に扱うスイッチのほか、 使用頻度の多い操作スイッチ及び自動運転関係のスイッチを設けています。 計器盤の計器及び表示灯はすべてLED(発光ダイオード) で処理し、 速度計は扇形表示、電
圧電流計及び圧力計は横形のパー表示とし、 配色、 取付角度など人間工学的に見やすいよう配慮しています。






■路線について
 都営地下鉄12号線は、新宿副都心を起点として、再び新宿に戻る環状部28.8kmと、新宿から光が丘に至る放射部13.9kmからなる42.7kmに及ぶ路線で、3期に分けての建設です。
第一期 光が丘〜練馬 (4.8km)
第二期 練馬~西新宿~新宿 (9.1km)
第三期 新宿~浜松町~西新宿 (28.8km)

ニュータイプの地下鉄
 都営地下鉄12号線は、建設費を安くするため、 トンネルの大きさを小さくしたり、車両の小型化や軽量化が図られており、急勾配や急曲線でもスムーズに走行できるリニアモーダ一の技術をとり入れた新しいタイプの地下鉄です。
 
(搬入・据付時の様子)
このようにして東京都交通局馬込検車場から千早フラワー公園に運ばれました。





◆車内






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