◆花市生花店


花市生花店は1927年(昭和2) に、千代田区神田淡路町に建てられた花屋である。この建物は前面を立て板状にし、銅板をはって防火対策を図った看板建築である。銅板は花屋らしくデザインされ、2階の窓の下には、梅や桜、菊、牡丹などの花が飾られ、 3階には蝶と菊が対角線上に配置されている。これらの銅板による装飾は、下絵を描いた木を大工が彫り、 その上に銅板をのせて木槌などを使って打ち出すという手法で作られたもので、職人の技が活きている。
花市生花店は、この建物で1991年 (平成3)まで営業していた。建物は創建時の姿に復元し、店内は昭和30年代の情景を再現している。
建築年 : 1927年(昭和2)
旧所在地: 千代田区神田淡路町一丁目
寄贈者 :青山総業株式会社
◆武居三省堂


武居三省堂は明治初期に創業した文具店である。当初は、筆・墨・硯の書道用品の卸を中心に商売していたが、のちに絵筆や文具も扱う小売店に変わった。 店内の壁には、 200本近い筆が入る桐箱が整然と納められている。また、店の下は地下室になっており、そこで商品の荷解きや、荷造りをおこなった。
武居三省堂は、 震災後に建てられた看板建築といわれる建物のひとつで、茶色のタイルを全面に張った表側と、屋根の勾配が途中で急になったギャンブレル屋根 (腰折れ屋根 建築当時は 「マンサード屋根」 と呼ばれていた) にその特徴を見ることができる。
店内は昭和30年代の様子を再現したものである。
建築年 : 1927年(昭和2)
旧所在地: 千代田区神田須田町一丁目
寄贈者 :三井不動産株式会社






